看護部

転倒予防の必要性について

高齢者が転倒すると

高齢になると、さまざまな身体機能の低下により転倒しやすくなります。 反射など身体防御能力も低下してくるため転倒したとき怪我や骨折などをおこしてしまいます。 重ねて精神疾患患者の場合は、自己防衛に無関心な事が多く大怪我をおいやすいのです。

特に大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折)

高齢者の転倒による骨折の中で、最も多く、重症なものが、大腿骨近位部骨折です。 大腿骨近位部骨折は、他の骨折に比べ侵襲が大きく骨折した部分から少しずつ出血をおこし、 結果的に総出血量は500ml~1000ml程になることもあり、高齢者は貧血をおこしやすくなります。

また、安静の必要上、認知機能の低下、筋委縮などいわゆる廃用性症候群が大きな問題となります。

精神疾患患者のリスクは高い

向精神薬や睡眠薬はふらつきを起こしやすく転倒の引き金となります。

また、なかには歩行動作が粗雑であったり、自己防衛の認識が欠如したりと一般の人たちに比べ転倒を起こしやすい状態にあります。 記銘力障害を有する患者様では、障害のない方と比較し8.7倍、向精神薬服用の場合は3.5倍の危険があるといわれています。

リハビリの進めづらさ

認知症の患者様の場合は、理解力が欠けているために少し回復すると無防備に動き出したり、思わぬ行動に出ることが多々あります。 リハビリを行ったがために、かえって転倒・骨折を招くという恐れがあり、なかなかリハビリが進められないのが実情です。