人間に生まれた喜び、人として生きる喜び、それが私たちの願いです。

院長ごあいさつ

加茂病院長 細見 誠

昭和28年、兵庫県内で6番目の精神科病院として、当院はこの地に開院しました。

多くの皆さまにご協力をいただき、半世紀を越える歴史を重ね、現在は7つの病棟で合計402床を有する精神科病院になっています。

開院当時の世の中に比べると、社会環境や生活スタイルなどは大きく変わり、社会情勢は絶えず変化しています。 また、新薬の開発、リハビリテーションの発展など、精神科医療の分野も大きく変化し、私たちに求められる医療ニーズは、 福祉ニーズも絡める形で多様化しているだけではなく、その領域はさらに拡大し続けています。

しかしながら、変化し続ける時代の中で、【心を安定させる条件】を備えた病院であり続けるためには、 一体何が必要であるかと考えた時、私は自然の力に勝るものはないと考えています。自然とのかかわりが、最も大切なのではないでしょうか。

幸いにして当院は自然に恵まれ、5万2千㎡の敷地に、桜の木をはじめ四季折々に心を和ませてくれる緑があふれています。 その緑の中で患者さまの姿を見る度、自然とのかかわりが土台にあってこその精神科医療ではないかと感じるのです。

当院は、戦後まもなく、閉鎖病棟に入院している患者様でも、地面に触れることができ、 自然に触れることができるオランダの病院の、≪ロの字型病棟≫の影響を受けて建設されました。 現在でも全ての閉鎖病棟で、土に触れられる構造を維持しています。

都市化が進み、急速に移りゆく時代の流れの中でも、私たちは、開院した当時の気持ちを守りつつ、 地域に開かれた医療を目指し、地域の皆さまに貢献できるよう取り組んでまいりたいと思っています。